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今回の展覧会には展覧会タイトルにもなっている[螺旋]をモチーフとした作品が多数出品されていますが、今回取り上げる[風景/網膜]というタイトルの作品も4点含まれています。
この作品のみ美濃和紙に描かれており、他の作品の純白な下地とは少し趣を異にして、少し黄土色がかっています。 美濃和紙とは言うまでもなく日本最古の和紙で、古くは大宝律令(701年)により定められた戸籍の記録用紙として用いられていたくらいです。現在では有名な岐阜提灯や、卑近な例では障子紙にも用いられています。 紙の話はさておいて、この[風景]シリーズでは[螺旋]の作品とは全く違った筆使いで描かれている、ということが一目でわかります。[螺旋]では1本の線が連続して流麗に動き回り、絡み合って物の形を形成しているのに対し、この[風景]の画中には長く連続して走っている線はありません。均質で短く区切られた線が重なることなく繋がって自然界にある木、石などの形を作り出しています。 それは[網膜]という言葉に起因しているといえます。網膜とは言うまでもなく人(動物)の目を構成する重要な部分で、カメラで言うならフィルムに相当する役割を果たしています。カメラではレンズを通して入ってきた光を受けてフィルムの感光膜上に取り込まれます。その時光は粒子の形として受け取られていることになりますが、同じことが人間の網膜上でも起こっている訳です。 もうお分かりでしょう、粒子、点。点のように小さくなった形で網膜上に取り込まれた光は電気信号に変えられて私たちはものを見ているわけですが、それを逆の方法で見えるものを点によって表現しようとした作品といえるでしょう。
by yamaneartlab
| 2011-02-21 18:11
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