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今回の展覧会では和紙に墨の黒一色の作品が大半を占めていますが、中には色彩(らしきもの)が加えられているものもあります。
ここに取り上げた「山麓の滝」もそのうちの1点です。基本的には和紙に墨で螺旋を基本に図を形成している、という制作方法をとっていますがこの作品では墨線がかなり密に重なり合い、ヌュアンスを含んだ黒の色面が画中に多く見られます。このことだけでも前回紹介した線を主体とした作品とはかなり違った印象を受けます。さらにこの作品では左右の上部から中央に向かって金色のような色面が画中に侵入しており、それによって画面は三分割されたように見えます。この金色のように見えるものの正体は雲母の粉を絵の具にしたもので、日本画では古くから使われてきた画材です。 白い和紙に墨一色の禁欲的ともいえる画面にこのキラキラとした雲母(キラとも言う)が侵入してきたことにより、画面全体から受ける印象は一変して装飾的なものへと変容してしまいます。金を多用した世紀末の画家クリムトの作品に見られる官能的な美にも通じるような、或いは江戸初期~中期にかけて活躍した宗達光琳派を思わせるような独特な美の世界へと誘い込まれるようでもあります。
by yamaneartlab
| 2011-02-16 17:22
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