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[Crawler]というタイトルが付けられたこの作品、一見すると大きなネックレスかブレスレットといった装身具に見えないこともありませんが、実はサイズ的に言うと長径47cm短径33cm、厚さが2~3cmもあり、しかも中空ではなく無垢の作品ですから重くてとても身体につけることなど出来ません。
しかしながら作品の奥にある照明をつけると全体がきらきらと輝いていかにも装身具のようなイメージが顕著になります。伊藤さんの作品には珍しく全体が光沢を持った作品なので照明の効果と相俟ってそういったイメージが強調されてしまうのでしょうが、そういった効果を狙って展示したのは作者本人ですからこれが正しい見せ方なのでしょう。 ところで、[Crawler]という不思議な題名ですが、英語の意味としては「這う者」「クロールで泳ぐ人」俗語としては「おべっか使い」といった意味になりますが、私としては「おべっか使い」を採用したい感じです。というのは一見きらびやかな輝きに包まれていても、その裏では何か人に言えない隠し事、暗い側面を孕んでおり、それを悟られないように表向きだけでも華やかに、明るく振舞わざるを得ない人間そのものの姿を示しているようにも受け取れるからです。 しかしながら全面的に研磨されたブロンズはそんなこととは関わりがないように、端整で自信に満ちた貴婦人のような雰囲気を醸し出しています。具象的な形を持っていないからこそ生み出すことの出来る作品としての効果、そんなことが十分に感じられる逸品です。
by yamaneartlab
| 2010-12-04 18:46
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